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HIV・エイズについて紹介します

HIVとはHumanImmunodeficiencyVirusを略したもので、日本語に訳すとヒト免疫不全ウイルスになります。
私たちの体内ではCD4という蛋白を持ったT細胞(CD4陽性T細胞と呼びます)が免疫系の中心的役割を果たしていますが、HIVに感染することでこのCD4陽性T細胞の数が減少し、その結果重篤な免疫不全状態をもたらします。

そして、HIV感染症の進行により免疫不全状態に陥り様々な合併症が出現した状態がエイズ(AIDS:AcquiredImmuno-DeficiencySyndrome、後天性免疫不全症候群)です。
後天性に免疫不全の状態になる、という意味で後天性免疫不全症候群と名付けられています。
厚生労働省のエイズ動向委員会が疫学調査を目的に作成したエイズの診断基準には指標となる疾患が23個あげられており、真菌感染症や細菌感染症の他、カポジ肉腫などの悪性腫瘍も含まれています。

ですから、HIV感染症とエイズはイコールではなく、HIV感染症は「ヒト免疫不全ウイルスに感染している状態」であってこの状態で数年から数十年、ほとんど症状が出ません。
この時期を無症候キャリア期といいます。
無症候キャリア期は平均するとおよそ10年といわれています。
HIVの感染経路は主に3つあり、1つは性感染です。
性感染では、無症候キャリア期に無自覚に感染を広げてしまうことが問題となっています。
また、性感染は感染経路としては最多で、全体の8割程度を占めます。

他の2つは、血液感染と母子感染です。
血液感染では、以前さかんに報道されていた薬害エイズ事件が有名ですが、覚せい剤使用者が仲間内で注射器を使いまわしたり、医療従事者の針刺し事故でも血液を介して感染することがあります。
母子感染は、HIVに感染した母親が経膣分娩で出産する際の産道感染が多いとされています。
どのくらいの確率でHIVに感染するのかは感染経路によっても異なりますが、性感染の場合、0.1~1%といわれています。
100回~1000回の性交渉に1回程度の計算ですが、性感染症に感染していると感染確率が数倍高くなるともいわれています。
医療従事者の針刺し事故の場合は0.3%程度とされています。

感染確率は決して高くありませんが、感染してしばらくは症状が出ないため気付かない間に感染をひろげてしまったり、症状が現れた時には既に重篤な免疫不全状態に陥っているという恐ろしい病気ですから、予防が何より大切です。
不特定多数の相手と性行為をすることを控える、性行為をする時は安全性を考えるなど、日頃の心掛け次第で感染の機会を減らすことが可能です。

HIVとエイズの疑いがあれば検査を行ないましょう

予防が大切だと前述しましたが、万が一HIVに感染してしまった場合にはどうしたらよいでしょうか。
エイズ発症までの流れとしては、HIVに感染した直後に急性感染期とよばれる期間があり、その後無症候キャリア期がしばらく続いた後にエイズ関連症候群期とよばれる時期があります。
この時期には発熱や下痢、体重減少などがみられエイズ発症間近の状態とされています。
これらの時期を経てエイズを発症するとエイズ期とよばれますが、現在のところ根治的な治療薬やワクチンというのはありません。

しかし、エイズの発症を遅らせるため、もしくはエイズにより引き起こされる様々な症状をコントロールする目的で、HAART(ハート)とよばれる多剤併用による強力な抗HIV療法が行われるようになっています。
早期発見がその後の治療や生命予後にも関わりますから、少しでもHIV感染の心当たりがある場合や心配な場合は早急に検査を行った方がよいでしょう。
検査は全国各地の保健所で無料かつ匿名で受けることができます。
有料であれば医療機関でも検査してもらえますから、少しでも不安に思ったら早いうちに一度検査してみることが大切です。

前述したエイズ発症までの流れの中の急性期感染期はHIV感染後1~3カ月の時期を指します。
この時期には発熱などのインフルエンザに似た症状が出現することが多いとされていますので、思い当たることがある場合にはただの風邪だと思わずにHIV感染を疑うことが必要です。
HIV感染症やエイズに限った話ではありませんが、疑うことをしなければ診断には至らず治療を開始することもできません。
検査をすることは怖いかもしれませんが、心配な時にしっかり調べることはパートナーを守ることにもつながります。